『第10回 町工場見本市2024』大学生が町工場見本市の出展企業を直接取材!
葛飾区四つ木『北星鉛筆株式会社』
誰もが必ず使ったことのある鉛筆。小学生の頃には毎日握っていた身近な存在ですが、その歴史やできるまでの過程を知る人は少ないのではないでしょうか。
今回は、北星鉛筆株式会社さんで、鉛筆の歴史や作り方、そして魅力いっぱいのオリジナル商品について教えていただきました。
ヨーロッパで誕生した鉛筆が日本に入ってきたのは約400年前、初めて鉛筆を使った日本人は、かの徳川家康ではないかと言われています。
その後、国内で生産を始めたのは明治時代になってから。世界からみると日本は後発ですが、現在では日本人の高い技術力もあって、世界最高品質の鉛筆生産国となっています。
① スラットと呼ばれる板に、芯がぴったりと入る半円の溝を均一に掘る。
△ 加工前のスラット
△ 加工後のスラット
② 板にのりをつけ、芯を挟んで2枚のスラットをプレスする。
③ 板を上側と下側それぞれから削り、9本のバラバラの鉛筆に分ける。
④ 表面に薄く色を付ける作業を6~8回繰り返す。
△ 色付け中の鉛筆
⑤ 芯の濃さや社名の捺印など、いくつか工程を経て包装される。
北星鉛筆さんの前身の会社は、北海道で鉛筆木材屋を営んでいました。そして戦後、東京に会社を移し、北星鉛筆株式会社として73年前から現在まで鉛筆づくりに励んでいます。
約70年前はちょうど鉛筆屋さんが増えてきた時期。鉛筆の生産もピークを迎えていましたが、その後は低下し、50年以上新規参入する企業がいない業界になってしまいました。
そんな状況で、ものづくり企業に求められるのは、時代に合わせて昔からの技術力を応用すること。そこで北星鉛筆さんが力を入れているのが、鉛筆ゴミのリサイクルと大人向けの新商品の開発です。
現在ものづくりに求められるのは、環境に配慮した持続可能な製品づくり。北星鉛筆さんでは、鉛筆を作る過程で出てしまうゴミのリサイクルを行っています。
鉛筆づくりでどうしても発生してしまうゴミは木材や芯の削りカス。工場内の機械で発生する削りカスは、機械に繋がれたパイプを通って工場の一角にある大きな機械に集められます。
△ 木材を削る機械。機械から上に伸びるグレーのパイプで削りカスを吸い上げる。
△ 削りカスが集められる機械。左には芯のカス、右には木材のカスが集められ、加工が施される。
ここで加工されたおがくずは着火薪やもくねんさん(ねんど)、ウッドペイント(木の絵具)として再商品化されています。この取り組みを含めて、北星鉛筆さんでは木材の切削クズに関してゼロダスト(産業廃棄物約100%削減)を達成。
次の課題は色がついた部分や芯の削りカスなど、1割以下の僅かなリサイクルできないゴミをどう処理するか。ほんの僅かにまで減らしたゴミも、更に減らすべく思案中だと言います。
鉛筆のメインとなる利用層は小学生ですが、時は少子化社会。そこで真の鉛筆の良さに気付けるのは子供ではなく大人だ—と、大人向けの製品開発を始めます。
大人にも使ってもらいたいが、ただ高級な鉛筆を作るのでは意味がない——。削らなくてはならないという鉛筆が故に生まれる手間がネックとなり、大人に使ってもらえない——。そんな中生まれた画期的なアイデアが、ノック式の鉛筆、「大人の鉛筆」です。
そしてこの大人の鉛筆、のちに北星鉛筆さんの大ヒット商品となりますが、実は元々ボールペン用の木軸づくりも請け負っていた北星鉛筆さんだからこそ成せる技術が存分に活かされた製品なのです。
大人の鉛筆に使われている外側の木材は、鉛筆用に製造されているものと同一のものです。しかし、大人の鉛筆を完成させるには、鉛筆用の木材の中心に空いた穴を、ノック式の軸が入る大きさまで広げなくてはなりません。この穴を広げる加工が、高い技術力を要する高難易度の工程となるのです。
△ 左:穴あけ加工後の木材 右:穴あけ加工前の木材
大人向けの製品は大人の鉛筆だけではありません。
鉛筆を持ち歩いてもらえるようにと開発した鉛筆キャップ「GENIUS PENCIL」は、2023年日本文具大賞の機能部門優秀賞を獲得しています。
他にも鉛筆の木材を使ったボールペンやシャーペンなど、パッケージまでこだわったオシャレな大人向け製品が多数作られています。
そして、北星鉛筆さんの最新大人向け商品が「大人の水彩色鉛筆3.3スターターキット」です。この商品の最大の魅力は、色鉛筆・クレヨン・水彩絵具の3つの用途がこのキット1つで実現できるところ、そして、真のゼロダスト商品であるところです。
なんと、この色鉛筆キットは、削った芯のカスに水を含ませることで絵具として使うこともできるのです。
僅かなゴミすら作らせない、「環境にやさしい」と「多岐にわたる使い方で絵を楽しめる」この二つを最大限両立させた、非常に魅力的な商品だと感じました。
△ 目玉の新商品「大人の水彩色鉛筆」のパッケージ裏面
今回の取材を通して、北星鉛筆さんは、約70年間培ってきた高い技術力を活かしながら、環境への配慮を忘れずに、新たなアイデアで今の時代に求められる製品づくりをしていらっしゃる企業だと教えていただきました。
そして、北星鉛筆さんでは、「我が身を削って人のために」という鉛筆の精神を大切に、鉛筆を通して人を幸せにすべく、日々ものづくりに励んでいらっしゃいます。
近頃あまり使わなくなってしまった鉛筆だと思いますが、「形にこだわらず、鉛筆製品を使う人を増やしたい」という思いから生まれた北星鉛筆さんの鉛筆製品で、再び木の温かみに触れてみてはいかがでしょうか。
貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました!
#町工場見本市 #鉛筆 #北星鉛筆株式会社
(取材 M.F)
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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