『第12回 町工場見本市2026』大学生が町工場見本市の出展企業を直接取材!
葛飾区高砂『有限会社精工パッキング』

社名に「パッキング」とあるので、ゴムパッキンを作る専門工場かな?と思ってお邪魔したのですが、良い意味で予想を裏切られました。
こちらは、ゴムはもちろん、樹脂、スポンジ、不織布、さらには神社の「お守り」の中身まで、金属以外のあらゆる素材を自在な形に切り抜く『型抜き(かたぬき)』のスペシャリスト集団です。

工場内に保管されている膨大な数の「抜き型」
工場の主力技術は「ビクトリア型(ビク抜き)」と呼ばれるものです。ベニヤ板に鋭い刃を埋め込んだシンプルな型を使用するのですが、その技術の繊細さに驚かされました。
機械には時計のような目盛りがついており、その圧力を微調整することで、素材を完全にくり抜く「全抜き」や、シールのように台紙だけを残す「ハーフカット」を自在に行います。

実際にレバーを引く体験をさせていただきましたが、調整一つで切れ味が変わるアナログな操作感に、デジタルにはない職人の勘と経験の深さを感じました。

精工パッキングさんの凄さは、機械への愛着にも表れています。なんと 40~50 年前の機械が現役で稼働しているのです。「毎日油を差し、メンテナンスをすれば機械は長持ちする」という先代の教え通り手入れされた機械は、最新のマシンよりも断面が滑らかで美しいそうです。

他社では断面に「バリ(ささくれ)」が出たり、材料ロスが出てしまうような難しい加工でも、こちらではロスゼロで完璧に仕上げるとのこと。道具を大切にする姿勢が、そのまま製品の品質に直結していることに感動しました。
平井社長は、伝統的な下請け仕事にとどまらず、自社商品「ポレット(やわらかい収納ケース)」を開発し、SNS(TikTok や YouTube)を活用して直接消費者に届ける取り組みも行っています。
また、廃業してしまう同業他社の技術を継承することにも積極的です。「できない理由を探すより、どうすればできるか」を考える柔軟な発想が、この工場の活気の源なのだと感じました。

取材を通じて、古い機械を大切にする「守りの技術」と、新しい市場を開拓する「選ばれる工場経営」の両方を見ることができました。
「型にはまる」仕事でありながら、決して型にはまらない発想を持つ精工パッキングさん。葛飾区の町工場の未来を感じる取材となりました。
取材担当:慶應義塾大学 梨本
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※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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