【潜入!】『まいぷれ葛飾』編集部が行く!
「地域社会における非行・犯罪の防止に向けて ~子ども、若者、そして保護者に目が届く社会の実現について考える~」
日 時 | 令和2年1月15日(水)午後1時30分から同4時30分まで |
場 所 | 東京拘置所 真北クラブホール(東京都葛飾区小菅1-35-1) |
主 催 | 東京矯正管区、東京拘置所、東京少年鑑別所 |
本講演会は、令和元年7月に東京拘置所に開設した「東京法務少年支援センター」の「分室」の業務として開催するものです。少年鑑別所は法務少年支援センターとして、非行・犯罪に関する問題や思春期の子どもたちの行動理解等に関する知識・ノウハウを活用し、少年の健全育成に携わる関係機関・団体の皆様と連携を図りながら、地域における非行・犯罪の防止に関する活動や、健全育成に関する支援などに取り組んでいます。相談等の依頼は、子どもたちから大人まで、幅広くお受けしています。
NPO法人「食べて語ろう会」理事長
1934年広島県江田島市生まれ。1980年から保護司を務める。その活動を通じて、罪を犯したり、非行に走る子どもの多くが「お腹がすくから悪さをする」ことを知り、それ以降無償で子どもたちに食事を提供するようになる。保護司を引退後、2015年にNPO法人「食べて語ろう会」を設立し、同法人の理事長。
元保護司として活動される中で、お腹を空かせた地域の子どもたちに食事をふるまってこられた経験から「居場所」をテーマにお話しいただきました。
講演をお聞きして、まいぷれ編集部が気になった点
・子どもたちをどうにかしてあげたいという強い気持ち
・子どもはいっぱい食べる、お米は毎日4升炊いてる
・普通の子どもはほどんどいない
・善悪はわかりづらいが損得はわかるのでそこを意識して話す
・精神障害者も多く、なかなか理解ができず困ることが増えてきている
・「子どもたちの居場所」はたまり場ではなく「健全な居場所」
・少年院から出てきてすぐ家に帰ってもなかなかうまく行かない、社会に戻る前の居場所が必要
・被害者支援もさることながら加害者を出さない、犯罪を起こさせない活動が大切
などなど、実際にあった体験談でとても興味深い講演でした。
東京大学先端科学技術研究センター特任教授。全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長
1969年東京都生まれ。東京大学法学部卒。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。1990年代よりホームレス支援に従事し、2009年から足掛け3年間内閣府参与に就任。内閣官房社会的包摂推進室長、震災ボランティア連携室長など。政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。2014~2019年まで法政大学教授。
90年代からホームレス支援に取り組んでこられ、全国こども食堂支援センターを展開しておられる立場から「居場所」について語っていただきました。
講演をお聞きして、まいぷれ編集部が気になった点
・地域で出来ることは限界があるけれど可能性がある
・貧乏と貧困は違う 貧乏でも幸せな人はいる 貧困=経済的な厳しさが社会的な生活に影響が出る
・大人も子どもも「7人に1人が貧困」実感ない 赤信号+黄信号まで含まれる
・赤信号(事件 目立つ 数は少ない)、黄信号(見た目わからない 数多い)
黄信号の例)お年寄り:葬儀香典、交通費払えない 子ども:修学旅行費払えない
・たかだか、、、されど、、、と考えてみませんか?
・赤信号の対応には手間、時間、お金がかかる
・黄信号の方は個別相談窓口には行かない 赤信号と認定される場所には行かない 行ったら負け
・では黄信号の方はどこへ行ってる? 誰が行ってもいい場所 青信号の顔して行ける場所 どなたでもどうぞの地域交流の場 お祭りなど
・「こども食堂」 気づきの拠点 人との関わり 課題の気づき 青信号の中にいる黄信号、赤信号の方との関わりを持てる場
・高齢者地域包括支援センター、子育て世代包括支援センターは、赤信号対応で手いっぱい こぼれにくい地域づくりとして「こども食堂」は増えてきている
・地域とのつながり この地域で繋がり、この地域で暮らしていく 安心感
・社会は傷んできている、しかし「どうにかしないと」と思う人も出てきている
・社会の希望を作っていくには、多くの人が参加していくことが大切
などなど、とても分かりやすいお話しであっという間の講演でした。
NPO法人「再非行防止サポートセンター愛知」理事長
1983年広島県生まれ、中学1年から非行少年となり、暴走族、暴力団準構成員として活動する中、少年鑑別所3回、少年院2回、拘置所1回入所。23歳のとき、妻の妊娠を機に名古屋に引っ越し、暴力団との縁を切った。2014年にNPO法人再非行防止サポートセンター愛知を立ち上げ、様々な事情で親元に住むことのできない保護観察中の少年・少女に対する住まいの支援(自立準備ホーム)を行うなど、これまで120名以上の非行少年支援を行ってきている。2018年に社会貢献者表彰、守屋賞、を受賞。
御自身の非行からの生きなおしの経験を元に少年鑑別所や少年院に入所・入院した少年たちのサポート活動を行っています。
NPO法人「育て上げネット」HR担当部長
1975年兵庫県生まれ。不登校、引きこもりの自立支援施設「淡路プラッツ」、大阪生涯職業教育振興協会「Aダッシュ」を経て、現在は「育て上げネット」にて若者支援活動を行っている。
東京都立川市を拠点にしつつ、全国各地で子ども・若者の自立支援の活動を行っています。
法務省東京矯正管区少年矯正第二課長
テーマ
非行・犯罪をはじめ、その背景に見えてくる児童虐待や貧困といった大きな社会問題に対し、地域の一人ひとりがどのように向き合うことができるのか。法務少年支援センターに何ができるのか、について沢山の意見が飛び交うパネルディスカッションとなりました。
参加された多くの皆さんは、こまめにメモをとられていたり、大きく深くうなずいたりと、本講演会で聞いたことについて何かしらの気づきを得ていたように思えます。東京法務少年支援センター分室講演会に参加させていただき誠にありがとうございます。ご興味頂いた方は今後機会がありましたら是非ご参加ください!
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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