下町酒場はしご酒~江戸川のディープな居酒屋巡り
女性がひとりで腰をすえて飲める居酒屋
JR総武線小岩駅から歩くこと二~三分、小岩地蔵中央通り会に(魚たも 小岩南口地蔵通り店)がある。
目を強調した色っぽい魚の赤暖簾が目印。
品書きは肴・菜・揚・焼・飯と分かれ、日本酒十五種以上。
中年の女性ひとり客が一日の仕事を終え岩牡蠣で一杯やっていた。
いろんな動作、対応が落ち着いている。
カッコいいな。
こう堂々としていると声なんかかけられないな【そうしようと思ったわけではありません】。
女性も年齢を積むと変わる。
移ろいやすい流行を追う若い頃も過ぎて結婚を意識し、自分の本当の良さを考え、見つけ、それをつくってゆく。
三高【学歴も収入も背も高い、ですか】なんてものは、あるかもしれないが、いつまで待っていても仕方がない。
そういう男って私だけを大切にしてくれない気がする。
いや、男に自分の自己現実を求めようという考え自体が他力本願、アテがはずれたらそれっきりだ。
いいや、ひとりで居酒屋でも行くか。
かなり強引な「居酒屋のすすめ」ですけど(笑)
この店は女性が多い。
こちらの女性二人はメニューを端から端まで見て検討し、「私は最初コレ、半分あげる」「じゃ私は、こっち」と注文の順番に余念なく、最後のご飯物までようやく決まって品書きを置き、「それとビール」となった。
またここは女性が男性を連れて来るケースが多いとか。
男たちが会社帰りにわいわい飲みに来る店ではないからだろう。
小岩の安心感。
新宿や渋谷の盛り場ではなく、都心を離れた商店街は、女性がひとりで居酒屋に入ることに安心感をもたせる。
この店を出ればすぐ小岩駅。
青山や代官山でひとりで居酒屋に入る気後れはここにはないし、第一自分の時間をもつ時にギンギラの盛り場はふさわしくない。
また小岩の居酒屋に行くことを人に吹聴するものでもない。
自分だけの食べたいものを頼み、自分だけの飲みたい酒を飲み、自分だけのひとりの時間を味わう【いい女だなー】。
そんなあなたが、やがで「私のよく行く店、居酒屋だけど」と誰かを連れて来る時がくる。
店の人はきっと何くわぬ顔をするだろう。
↑この日の盛り合わせは鮪、カンパチ、カワハギ、ホタルイカが登場
↑この店は刺身がおすすめ。刺身はマグロ、ヤリイカ、ホッキガイ、イナダ
↑料理は魚料理が中心。店内に生簀もある
↑気楽なレストランのような雰囲気の居酒屋
店名 | 魚たも 小岩南口地蔵通り店 |
住所 | 東京都江戸川区南小岩8-14-8 |
営業時間 | 12:00~15:00・17:00~23:00 |
定休日 | 不定休 |
連絡先 | 03-5668-5977 |
関連サイト | ホームページ |
取材日 | 2022年 |
◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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